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岡山のブロック塀安全を願う!補修点検の確認はブロック塀診断士に相談を

岡山のブロック塀事情

最近、全国的にブロック塀の事でたくさんの報道が上がっています。

6月18日の大阪北部地震で大阪府高槻市立小学校のブロック塀が倒れ、
登校中の女児が亡くなるという悲惨な事故が発生して2か月程経過しました。

<※写真はzakzak by夕刊フジより>

安全性に問題のあるブロック塀がないか全国規模で調査を行ったところ、
塀の高さや補強の壁が国の基準を満たしていなかったり、
老朽化ししているブロック塀が1万2640校もあったとの事です。

またこのうち約8割の1万122校は撤去や注意喚起などの応急対策が済んでいるが、
約2500校では終わっていないとの報告を文科省が行い、
これらの学校についても速やかな安全対策を求める通知を出したそうです。

岡山県でも296校あったと報告されてますが、
未だに半数以上において応急対策を行っていない状況にあるようです。
(※2018年8月10日朝日新聞デジタルの記事より抜粋)

ブロック塀の安全点検

岡山県からは「ブロック塀の安全点検」と題し

建築物の既設の塀(ブロック塀や組積造の塀)の安全点検について

アナウンスを行っています。

 

ブロック塀の点検のチェックポイントという案内を設けているので参考にすると良いと思います。

このような状況においてブロック塀に対する関心は高まっているものの
まだまだ情報は少なく不透明な部分が多いので不安は拭えませんね。

その為、ブロック塀に関わる補修・点検、さらには
専門家としてのアドバイスが必要とされているのではないでしょうか?!

ブロック塀診断士という資格

しかしながら・・・
「ブロック塀に関わる専門家って?」「ブロック塀の資格ってあるの???」
というような具合で知名度はほとんどなく、
かなりマイナーな資格として存在している「ブロック塀診断士」。

国家資格ではありませんが、ブロック塀診断士という資格があり、
少なからず資格保有者は全国に居ます。

ブロック塀診断士の説明を簡単に行うと、
地域の安全、環境保持を目的に、ブロック塀の危険箇所の調査を行い、地震等における災害を防止する。
またリフォーム需要に対応し、
既設ブロック塀の診断業務を行う。
(※公益社団法人 日本エクステリア建設業協会より)

私も今から約9年前の平成21年に「ブロック塀診断士」の資格を取得しました。

しかしながら正直なところ、これまでは重要視される事は無いに等しく
業界においても安全基準を満たさない施工が横行していたのが事実です。

「※ブロック塀診断士テキストより参照」

私の経験からしても、境界ブロック塀の工事で相見積りになった際に、
「おたくの見積りは〇〇万円も高かったよ」
「おたくはできないって言ったけど、他の業者はできるって言ってるよ」
と言われ、仕方なく断念した事があります。

不思議に思い後々、完成した現場を見てみると、
価格の差や施工方法の違いに納得せざるを得ないような経験があった事は忘れもしません。

施主様の立場からしても安全性を確認できるような情報も少なく、
施工内容に大きな違いがあるのも理解できず、
結局は単純に価格のみで判断してしまう傾向が強いのではないでしょうか?!

「※ブロック塀診断士テキストより参照」

ブロック塀の新設、またはリフォームを検討する際は
今回のような死亡事故にまで至ってしまうような危険性がある事を周知した上で、
専門家のアドバイスを仰いだ方が良いでしょう。

業者選定の際には、ある程度知識を持って対応する必要もあると思います。

ブロック塀施工の一連の流れ

参考にまでエクスライフで実際に行っている工事における一連の流れを紹介します。

細かな規定までは示しませんので、あくまでもイメージとしてご覧ください。

①掘削(土の堀り上げ)

重機を使用してブロック施工箇所の土を掘り上げます。

 

②クラッシャラン地業転圧

クラッシャランという砕石と土(砂)が混ざった、よく締まる骨材を使用します。

基礎をつくる下地をしっかりとつくる為、プレートコンパクター(転圧機)を使い締め固めていきます。

 

③鉄筋加工

鉄筋をはしご状に組んで、基礎となる鉄筋組をつくっていきます。

縦に立ち上がる鉄筋は予めL型に曲げておいて結束していきます。

この時にブロック塀の高さまで、途中で接ぐ事なく立ち上げる事が重要です。

 

④基礎コンクリート打設

コンクリートを流していきます。
状況に応じてバイブレーターを使用します。

バイブレーターで適度の振動を与える事により、内部の気泡を除去しコンクリートの密度を高め、
骨材が均等に分布した強度の強いコンクリートになります。

 

また加工した鉄筋が地面に直接密着せず、コンクリートの中間に収まるよう注意します。

 

⑤ブロック施工

1段目根付け

ここからいよいよブロックの施工になります。

立ち上げた鉄筋がブロックの継手部分に収まるよう、モルタルで調整しながら並べていきます。

 

アンカー施工の場合の鉄筋施工

アンカー施工にて基礎用の鉄筋を立ち上げた場合、継ぎ足す鉄筋はしっかりと結束線で結束して延長します。

 

横筋の施工

横筋を施工する場合もしっかりと縦筋との結束を行います。

 

ブロックの根入れ

原則ブロックの1段目は埋まるような高さで基礎コンクリートを打設し、
1段目のブロックが基礎を兼用するような形で強度を保たせる必要があります。

 

上記の写真で見ると良く分かるかと思いますが、
1段目のブロックは普通のセメントブロックにて、
2段目より化粧ブロックにて施工を行っています。

これは1段目を埋める事を想定した設計によるもので、
1段目にセメントブロックを使用する事は、結果的にはブロック自体のコストを抑える事にもつながります。

上段のブロック施工と鉄筋加工

ブロックの横筋は5段積みの場合は、
通常1、3、5段目というような感じで、1段とばかしで鉄筋を入れていきます。

滅多にありませんが、強度を保ちたい場合は全ての段に入れる事もあります。

 

コーナー部等、ブロック塀が連続して繋がる場合は、
鉄筋を延長して連続するブロック塀と繋げる必要があります。

 

ブロック塀が一体となる事でより強度が保たれるようになります。

ブロックの切断

ブロックを並べていく場合、ほとんどのケースでブロックの切断を必要とします。

境界部等にきっちりと寸法通りに収める場合は、ブロックを切断して長さを調整する必要が出てきます。

ブロック塀を切断する際、粉塵が多く発生する為、
周辺のクレームの原因になりやすく注意する必要があります。

集塵機を使用し、周辺の配慮を行います。

 

⑥ブロック塀の仕上がり

埋め戻しを行い、天端のモルタル仕上げを終えて仕上がりとなります。

 

設計デザインに応じて、ガラスブロック、換気(空洞)ブロック、フェンスの取付を行い
ブロック塀の仕上げとなります。

 

ブロック塀についてのまとめ

今回は最近話題となっているブロック塀について少し掘り下げて紹介し、
専門家の存在やその必要性に触れました。

またブロック塀施工の一連の流れを写真を添えて簡単に説明しましたが、
ある程度ブロック塀のイメージは掴めましたでしょうか??

ブロック塀はコンクリートの擁壁で塀をつくる事に比べると
安価で工事期間も短く、手軽に塀をつくる事ができる点では、大きなメリットがあるといえます。

しかしながら工法を誤まると、危険が伴う事もご理解頂きたいと思います。

ブロック塀の工事を依頼する場合、予算の設定についても注意して頂きたいところです。

安全な基礎をつくる為の必要経費はもちろん、
経年劣化していくブロック塀に対する
やり替え、リフォーム、補修等、
遅れて発生してくるであろう費用についても、ご理解とご協力が必要になってきます。

 

ブロック塀に対する適切な認識が広まり、
地元岡山にて悲惨な事故が起こらない事を願いつつ・・・
安全なブロック塀が増えていく事に対して
業界関係者の一人として自分自身尽力していきたいと思います。

ブロック塀の安全点検表

ブロック塀診断士の資格を発行している
日本エクステリア建設業協会より発行された
ブロック塀の安全点検表です。
ご自宅や近隣のブロック塀について、上記シートを活用の上
簡易的な診断を行ってみてください。

全国のブロック塀診断士リスト

問題がありそうな場合は、
最寄りのブロック塀診断士へ相談すると良いと思います。
都道府県別 「ブロック塀診断士リスト」掲載ページへ

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